棟立の井


鎌倉駅より大塔の宮行きの京急バスに乗り、終点の大塔宮にて下車します。鎌倉宮の鳥居の前を左に800m進むと、 正面に見えてくるのが覚園寺の山門です。
薬師堂
覚園寺(かくおんじ)は鷲峯山真言院覚園寺(じゅうぶせんしんごんいんかくおんじ)と号しています。 古義真言宗です。吾妻鏡の建保6年(1218)7月9日の条に「源 実朝が鶴岡に参拝し、 随行した北条義時が参拝後に家に戻り、一眠りした際に、夢の中にて薬師十二神将の戌神が現れてお告げがあった。 翌朝にこの地に薬師堂を建立した。」
この薬師堂を現在の覚園寺になったのは、北条貞時が永仁4年(1296)に心慧上人を開山としたことによる。 境内には薬師堂、愛染堂、地蔵堂などがあります。
境内の薬師堂裏の山際に棟立の井(むねたてのい)があります。 井戸の形が家の棟の形をしていることからこの名がついたといわれています。 また、屋根の形から破風の井(はふうのい)とも言われています。

新編鎌倉志に「棟立の井は覚園寺の山上にあり。相伝えるに弘法此の井を穿て、 閼伽水(あかみず:仏前に供える水)を汲と云う。鎌倉十井の一なり。」とあります。  現在は山崩れのために土中に埋もれてよく確認できないそうです。

「鎌倉十井案内図」に戻る